みなさま
RSY事務局です。
RSYは2日からの線状降水帯による大雨で被害のあった愛知県内の被災地へ栗田・浦野を派遣し、情報収集を行いました。以下、報告です。
※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。
今回、市内在住のRSY会員・Oさんのご協力のもと市内を巡回した結果、下条西町や牛川町の豊川流域で床上40~50㎝の浸水被害を確認しました。このエリアは霞堤(かすみてい)のため、昔から浸水リスクが高く、それを知る旧住民や、親から町の歴史を受け継いで家を建てた方々は、盛り土でかさ上げするなどの水防対策を講じていました。しかし今回はそれを上回る程の水の深さで、道路からの浸水深は1mを超えています。
市の公式発表では「南松山町124(床下浸水)、他17件」となっていますが、RSYが上記地域を回った感触では、この地域以外にも浸水世帯はあり、いまだ被災世帯の全体数は明確になっていません。
●ベーカリーを営むSさん(女性・30代)
「1年程前にオープンしたばかりだったから本当にショック。義父から新築するならかさ上げした方がよいと言われ、道路から1m以上かさ上げしたのに、店の入り口から40㎝も水が上がってきました。母屋はギリギリ床下浸水。トータルで140㎝ぐらいの深さになってるかな。店舗の中にも水が入って、オーブンや室外機、家財道具も被災しました。オーブンは今のところ何とか動くようなのでよかった。でも飲食店だから、どの程度の消毒をすればよいか分からなくて、とりあえず次亜塩素酸ナトリウムで作った消毒液を床に流して乾かしています。前の道に水没した車が何台か放置されていてとても困っています。ここでは人も亡くなっているし、これが渋滞の原因になっていて危険なんです。でも持ち主の確認がないと勝手に動かせないみたいで、市に連絡しても「手順がある」と。1日も早く営業を再開させたくてどうしたらよいか市にも相談したいのだけど、こちらから連絡しなければ何も動いてもらえない。うちの近くの人の方がもっとひどく浸水しているようなので、見に行ってあげて欲しいです。」
●息子と車中泊をするMさん(60代・男性)
「うちはこの辺りでも一番低い。地面から1mぐらいは水に浸かってて、床上は40~50㎝程ぐらい。2階は物置になっているから、生活は1階で全て賄ってきたけど、電化製品はほとんどダメになった。トイレや風呂も使えない。仕方ないからトイレはコンビニで済ませて、夜は息子と各自の車で車中泊しているんだよ。眠れないし風呂にも入れてない。ボランティアに来てもらいたい気持ちがあるけど、大切なものとそうでないものとの仕分けもできていない状態で頼めない。土砂の片づけとは違うんだ。周囲から色々助言をもらうけど、そんなに簡単に早く決断したり頼んだりできないよ。片づけしなくちゃと分かっているけど、家の中を見るとどうしようもない状態でうんざり。とにかく作業が全然はかどらないんだ。遠方に住む娘が写真だけは撮れというので自分なりにとったけど、正しく撮れているのかも分からない。市役所に問い合わせたら、電化製品はリサイクル券を買わないと引き取ってくれないらしい…(途中涙が溢れる。スタッフが背中をさすると)…….もういいから、大丈夫だから、そっとしておいてほしい。(沈黙の後)これだけ沢山のゴミを捨てるのに金がかかるなんて。倉庫のものもほとんど水に浸かってるのに。」(その後市に確認したところ、公営住宅入居に向けて調整を図っていることが確認された)
他にも、会員からの情報では、泥まみれになった道路を地域総出で掃除したり、道路沿いの店舗の中古車屋や喫茶店などが床上浸水しており、「冷蔵庫や資機材全てが水に浸かり、片手に持てるぐらいのものしか使えるものが残っていない」というコメントも聞かれています。
その足で市社協訪問と共に、坂本真由美兵庫県立大学教授(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD理事))と市災害対策本部を訪問。上記2件の個別ケースを報告すると共に、今後起こり得る課題の確認と、HP等でのこまめな情報発信・更新、水没車の撤去、災害廃棄物への柔軟な対応、災害救助法4号の早期適用(災害救助法の適用が無い場合、受けられる公的支援制度の幅は各段に狭まる)等の緊急性について意見交換をしました。
市は浸水地域を巡回し、罹災証明書申請の手順に関するチラシのポスティングを開始。7日(水)までにさらに地域を特定し、以降は10チーム編成で個別訪問する予定であることがわかりました。
また、豊橋市の避難所は、最大36カ所・111世帯(235名)が避難していましたが、6月2日7:30の時点では22世帯・40名、6月3日20:00をもって閉所となりました。災害ボランティアセンターは、今週中旬立ち上げを目途に市と社協で協議が進められています。
豊川と並行して流れる豊川放水路流域で被害が見られています。市からの公式発表では、「床上浸水24棟、床下浸水不明、倒壊1棟」で、被害は市内に点在しています。
RSYは、常務理事・浦野の前職同僚からの情報提供を通じて、有料老人ホーム「光楽苑」を訪問。事務室、利用者個室他、床上10~20㎝程度の浸水被害に遭うも、法人職員60名体制で懸命な復旧作業に当たられていました。
「水害発生当日2日18:00頃から浸水がはじまりました。この施設は平屋の為、ご利用者様43名を施設長含め4~5人の男性職員らがおぶって、腰まで水につかりながら、隣接する2階建ての施設へ搬送し全員無事でした。中にはパニックになるご利用者様もいましたが、信頼関係のある職員からの声かけを重ねると、気持ちが落ち着きました。年2回、防災訓練でシミュレーションしていたのが功を奏したのだと思います。その後ベッドマットや車椅子、薬も運び入れ、簡易ベッド等も系列の施設等からかき集めることができたので、全員床に寝かせるなどは防げました。直後は断水・停電し、非常灯で過ごしましたが、日ごろから備蓄食料も水に浸からない場所に保管していたことが幸いしました。一部の方は法人内の受け入れ可能施設に連絡し移送しましたが、施設の復旧が思いのほか早く進んだので早く戻ってきてもらえそうです。ありがたいことに法人内で何とか対応できたので、今のところボランティア等の支援は必要ないかと思います。」
一方、豊川市社協は通常のボランティアセンターの活動として、被災者からのニーズ募集、ボランティア募集(市内限定)を行っています。また、豊川災害ボランティアコーディネーターの会の河合会長とお会いし、「社協と連携してボランティアセンターのチラシを持参しながら地域を回り、ニーズキャッチに務めたい」という言葉をお聞きしました。これまで10年来、「何かあった時には近隣市町で助け合おう!」と、あたためてきた三遠南信で活動するボランティア団体同士のつながり。その輪に入っている名古屋のボランティアも必要に応じ応援可能の
6月3日より「岡崎市災害ボランティア支援センター」が開設され、現在までに22件のニーズ対応に当たっています。当面はボランティアは公募せず、市社協の登録ボランティア200名に声をかけ対応する予定。支援センターの広報チラシを持参し、ボランティアが被災エリアを個別訪問しながらニーズキャッチも行っています。
市の公式発表では、床上浸水6棟、床下浸水50棟(保母町・丸山町に集中)とされていますが、ボラセンスタッフによれば、床上は十数件、床下もそれ以上あると見込んでいるとのこと。
RSYは市からの要請で「水害にあったときに」等を提供すると共に、ボランティア活動資器材の要請も頂いたため、本日(6月5日)ハイエースでRSY事務局長・浜田と秀島がお届けする予定です。
RSYは、栗田を中心に、防災のための愛知県ボランティア連絡会と随時情報を共有しつつ、災害ボランティアセンターの運営サポートをはじめ、資器材貸出や個別支援への対応など、愛知のネットワークや技術系NPOの皆さんとの連携をふまえ検討していきます。
浦野は、なごや防災ボラネットメンバーらと共に、石川県珠洲市への支援継続のため本日出発しました。
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