お世話になります。
RSYは1月3日から石川県穴水町にスタッフ・ボランティアを派遣し、避難所や災害ボランティアセンターの運営サポートを行っています。現在は、RSYスタッフ1名、ボランティア5名の計6名(うちRSY看護チーム3名)が活動しています。以下現地からの報告です。
1.穴水町の被害
(情報元:1月12日16時現在/石川県発表、穴水町HP、穴水派遣スタッフより)
●最大震度6強(災害救助法、被災者生活再建支援法適用)
●人的被害
・死者20名、家屋被害約1000棟
●避難所
・避難所数:45か所、1,876人
・孤立集落:なし
・石川県が、孤立集落や要配慮者等を対象に、被災地外にホテル・旅館等を確保し2次避難所として搬送する仕組みを整備。穴水町からも30~40名が移動中。
●ライフライン
・水道:断水中(本日より一部の地域で上水道が稼働するも下水処理場の被災により排水禁止状態)
・電気:一部の地域で停電中(他地域では通電火災が発生)。通電世帯はオール電化の場合調理や暖房等の使用が可能に。
・ガス:ほぼLPガスのため使用可能。(ただし住民からガス漏れ箇所などがあるなどの報告もあり注意喚起が必要)
●医療等マンパワー
・他市町行政職員、医療・看護・福祉専門職がチーム編成され、避難所等を巡回
・一部の避難所では災害派遣ナースが24時間体制で数日駐在
・モバイルファーマシー(移動薬局)により一両日中に薬の供給が可能。
●通信
・インターネット回線、携帯電話での通話は大体問題なく利用できている。
●入浴(自衛隊による仮設風呂)
・公立穴水総合病院15時00分~21時00分まで
・旧兜小学校15時00分~18時00分まで(女性)18時00分~21時00分まで(男性)
・住吉公民館(シャワーのみ)10時00分~15時00分まで
●ゴミの回収
1月11日(木曜日)より家庭のもえるごみに限り通常通り収集を再開。
●罹災証明書
町は穴水町すべての住家(居住のために使用している建物)を対象に被害認定調査を行い、罹災証明交付の準備のできた地区ごとにご案内。罹災証明は申請時に即時発行予定。
●ブルーシート
町は一人2枚限定で配布中。
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2.RSYの支援体制
1月10日より穴水町社協が災害ボランティアセンター(災害VC)を開設。RSYはその中の「生活支援チーム」として、指定避難所プルートの運営支援を中心に、自主避難所および在宅避難者の多い集落にも活動範囲を広げ、ニーズ調査、食事・物資提供などを行っています。また、屋根のブルーシート張りのニーズが既に40件程寄せられていますが、マンパワーの確保に時間を要することや断続的な余震により即日対応の体制は取れていません。
現在私たちは、社会福祉協議会が管理する学童施設を外部支援者の宿泊所として、また、プルートのいち室を事務スペースとしてお借りしています。全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)からの紹介で情報支援レスキュー隊「IT DART」からWi-Fiやパソコン、プリンター等をご支援を頂き、拠点機能も整いつつあります。
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(1)食事の提供
プルートにキッチン機能を据え、200人の避難者並びに4か所の自主避難所・集落にデリバリーするセントラルキッチン的な役割を果たしています。常に温食、栄養価の高い食事が維持できており、1日700食を提供。避難者の心身の健康維持の助けになっています。
避難者の中から常時3~4名が調理チームに加わり、地域からほうれん草やキウイなど食材の提供の申し出も頂いています。燃料や足りない食材・調味料等は随時RSYの寄付金から捻出させて頂いております。その他にも単発での炊き出しの申し出も増えています。
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<プルート調理担当協働団体>
・チームnao(仮称)(毎朝・夕食担当)
・慈済 (Tzu Chi)(毎昼食担当14日~)
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<食材提供者/RSYを経由して提供して下さった団体>
・真如苑救援ボランティアSaRV中京(食材等の提供)
・アンティークノエル (Antique' Noël)(食材等の提供)
・新潟県刈羽村住民有志(水、灯油、野菜などの提供)
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(2)プルートの環境改善
施設管理者と避難者らと共に役割分担をし、できるところからトイレ、寝床、衛生環境の改善・維持を図っています。役割に慣れてきた方も増え、これが生活のリズムづくりと避難者同士のコミュニケーションの機会にもなっています。
・プルート内トイレ清掃(1日4~5回程度)
・屋外仮設トイレ水汲み・清掃(1日2回程度)
・ゴミの回収・整理(1日1回)
・廊下や居室の掃き掃除(1日1回)
・軽作業(トイレ用新聞折りなど)(1日1回)
・食事の配膳(1日3回)
・物資の運搬・整理など)(随時)
また、新たに入居される方の居室の調整や名簿の作成・整理も行っています。名簿入力作業はIT DARTからご協力頂き大変助かっています。
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(3)要配慮者への対応
プルートに設置されている福祉避難スペースや自主避難所、集落にいる要配慮者の把握と段ボールベッドの設置等、生活環境の改善に努めています。
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また、RSY看護チームが体調不良者や要介護者のカルテを作成し、巡回する医療チームにすぐ情報提供ができるよう体制を整えてきました。10日には被災地NGO恊働センターの仲介でマットレスを提供頂き、導入することができました。
コロナ・インフルエンザ罹患者は感染症専用スペースを整え対応していたところ、12日より3日間災害ナースが24時間体制で派遣されることになりました。これを機に、震災から2週間にしてようやく施設管理者や社協職員もしばしの間自宅に戻り身体を休めることができています。
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(4)足湯ボランティア
11日よりプルートで足湯ボランティアを開始しました。震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)の加盟団体でRSYとも親交の深い「認定NPO法人とちぎボランティアネットワーク」から2名がサポートに入っています。足湯は凝り固まった心や身体をリラックスして、安心して心の内を吐露できる場づくりの一つ。被災された方の心情や気になること、心配なことなどをつぶやきとして一つひとつ丁寧にひろい、次の支援に確実につながるよう対応していきます。毎回10名を超える方が利用し、新たなコミュニティができつつあります。
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3.今後の課題
震災から2週間が経ち避難者の表情にも疲れの色が濃くなっています。しかし、温かい食事の提供とそれぞれ役割を持ち、できることを協力し合う雰囲気も芽生え、プルートでは今のところ大きなトラブルは出ていません。ライフラインの復旧で自宅に戻る方、避難所間の移動やこれまでの自宅・車中泊での生活に限界を感じ新たに避難所にいらっしゃる方がおり、まだまだ落ち着かない状況です。また、プルート以外の避難所の食事・環境改善や在宅避難者等の把握・対応も急がれます。
以下、今後改善・対応が必要な生活課題について掲載します。
・避難者名簿の整備
・居住スペースの土足禁止化
・流水、せっけん手洗い環境の整備(感染症予防の注意喚起)
・簡易ベッド、寝具の導入
・衣類等の安定的配布(洗濯環境の整備)
・入浴支援(自営隊のお風呂が利用できない方へのフォロー)
・生活不活発病防止プログラムの実施
・罹災証明書の申請支援(書類作成、写真撮影、制度説明など) など
町全体の支援に関する課題や今後取り組むべき内容の共有・相談の場として、1月16日に町主催で町・災害VC・RSY等外部支援者の3者会議が開催されます。避難所、食と栄養、在宅支援などのテーマに対し、どのように3者が連携協働していけるか検討する予定です。
尚、上記活動中 にお聞きした「住民の声」は、第4報-2でご紹介致しますので是非ご覧下さい。
4.RSYスタッフ・ボランティア今後の派遣予定
・第4陣:1月15日(月)~19日(金)RSY浦野・稲垣、ボランティア調整中
・第5陣:1月18日(木)~23日(月)RSY森本、ボランティア調整中
・第6陣:1月22日(月)~27日(土)RSY浦野・稲垣、ボランティア調整中
・第7陣:1月27日(金)~31日(水)RSY浦野(継続)、ボランティア調整中
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